令和4年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本弁理士会会長賞
火花点火制御圧縮着火エンジン技術の発明(特許第6562164号)
松本 浩太 | マツダ株式会社 エンジン性能開発部 第2エンジン性能開発グループ 主幹 | |
漆原 友則 | マツダ株式会社 エンジン性能開発部 第2エンジン性能開発グループ 上席エンジニア | |
井上 淳 | マツダ株式会社 エンジン性能開発部 第2エンジン性能開発グループ 主幹エンジニア | |
河合 佑介 | マツダ株式会社 エンジン性能開発部 第2エンジン性能開発グループ | |
宮本 亨 | マツダ株式会社 エンジン性能開発部 第2エンジン性能開発グループ シニアスペシャリスト | |
神代 雄大 | マツダ株式会社 パワートレイン技術開発部 PT要素技術開発グループ |
発明実施功績賞
丸本 明 | マツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO |
CO2削減の切迫した要請の中、自動車のwell to wheel CO2排出抑制のため、継続的な内燃機関自動車の効率向上が重要である。
エンジンの効率改善のためには熱力学の原理から、高圧縮比化と比熱比向上(希薄/希釈混合気燃焼)が主要方策となる。高比熱比(高希薄/高希釈燃焼)条件下では火炎伝播が不安定となるため、火炎伝播に頼らない圧縮着火燃焼を利用することが有効である。
本発明では、火花点火燃焼の火炎伝播に伴い成長する火炎球によって、燃焼室内の未燃混合気を圧縮し高温化することで圧縮着火燃焼を制御する火花点火制御圧縮着火燃焼を考案した。温度環境やエンジン負荷に合わせて点火タイミングを進角遅角させて圧縮着火燃焼を制御し、高度な可変動弁系等に頼らずに圧縮着火燃焼を実現することができた。
本発明の上記技術によって、量産ガソリンエンジンとしては世界で初めて(*)火花点火制御圧縮着火燃焼を実現することができた。(*マツダ調べ)
図1 火花点火制御圧縮着火燃焼の概念 |
図2 火花点火制御圧縮着火エンジンの構成 |