平成29年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
小型中赤外分光イメージング装置の発明(特許第5120873号)
石丸 伊知郎 | 国立大学法人香川大学 工学部 知能機械システム工学科 教授 |
21世紀発明貢献賞
長尾 省吾 | 国立大学法人香川大学長 |
本発明は、成分同定能力の高い中赤外分光法を日常生活空間に適用展開して、スマートトイレや非侵襲血糖値センサー、また成分の“その場解析”を実現する手のひらサイズの小型中赤外分光イメージング装置を提供可能にする技術である。
従来から赤外分光法は、試料に照射した中赤外線(波長:10[µm]近傍、波数:1000[cm-1]近傍)の波長毎の光の吸収量(分光吸光度)から成分を同定する能力が高いことは良く知られている。しかし、従来の赤外分光装置であるFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計: Fourier Transform Infrared Spectroscopy)は、機械振動に脆弱であることから可搬性が低かった。そこで、機械振動に高い頑健性を有する結像型2次元フーリエ分光法を考案して、可搬性の高い手のひらサイズの小型中赤外分光イメージング装置を実現した。
本発明により、100年以上に渡り構築してきた膨大な中赤外分光吸光度データベースを、日常生活空間での成分分析(その場解析)に適用可能とする、新しい分析化学の世界を切り開くことが期待されている。
図1 小型中赤外分光イメージング装置 | 図2 ノートPCのみで操作可能 |