平成28年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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発明協会会長賞
金-酸化ニッケルコアシェル型ナノ粒子触媒の発明(特許第4674921号)
鈴木 賢 | 旭化成ケミカルズ株式会社 モノマー・触媒研究所 第二研究室長 | |
山口 辰男 | 旭化成株式会社 研究・開発本部 環境エネルギー研究開発センター |
発明実施功績賞
小林 友二 | 旭化成ケミカルズ株式会社 代表取締役社長 兼 社長執行役員 |
本発明は、金−酸化ニッケルコアシェル型ナノ粒子触媒の開発、およびそれを用いた酸化エステル化法によるメタクリル酸メチル(MMA)製造の実用化に関するものである。
本触媒は、金をコアとし、その表面が高酸化型の酸化ニッケルで被覆された状態(コアシェル型)のナノ粒子が、担体上に担持されている。このようなナノ粒子構造と化学状態を有する複合ナノ粒子の設計によって、単一金属種とは異なった優れた触媒機能を生み出すことに成功した。さらに高強度シリカ系担体の開発、酸化ニッケルによる触媒の化学的安定性の向上、および触媒中のナノ粒子の精密分布制御により、長期触媒寿命を保証できる工業触媒技術を確立することができた。
本技術は、2008年に年産10万トンのMMA製造プラントにて実用化され、高選択性・高活性・長期触媒寿命等の優れた実用的成果を得て、省エネ・省資源化と、高い経済性を実現した。また本触媒は基質適応性が広く、種々の酸素酸化に効率的に作用することから、他の酸化反応への応用が期待される。
図1 | 金-酸化ニッケル触媒の透過型電子 顕微鏡像とナノ粒子の推定構造 |
図2 | 金-酸化ニッケル触媒を用いた メタクリル酸メチル製造プラント |
スキーム1 メタクリル酸メチルの合成化学反応式 |