平成27年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
自己抗体を用いた疾患診断技術の発明(特許第4774513号)
内田 浩二 | 国立大学法人名古屋大学 教授 農学博士 |
21世紀発明貢献賞
松尾 清一 | 国立大学法人名古屋大学 総長 |
本発明は、私たちの身の回りのアルデヒドとタンパク質が反応して生じる修飾物を指標にした新規バイオマーカーを考案し、さらに抗体技術を駆使した簡便な測定系を実現したものである。
本発明研究では、以下の技術開発を達成した。
① | アルデヒド修飾をターゲットにしたモノクローナル抗体を作成することで、修飾分子特異的抗体のライブラリーを完成し、基礎・臨床研究への応用を可能にした(図1)。 | ② | アクロレインに関し、イムノアッセイ法を基盤にしたキットを開発し(図1)、市販化することにより、発がん性リスク評価や脳梗塞リスク評価などの基盤とした。 | ③ | 抗体ライブラリーのうち、一部の抗体が、核酸を認識し得る異常な特異性を示す抗体であることを発見し、新しい自己免疫疾患診断法の基盤とするとともに、抗体の多重交差性など、自己抗体の特異性に関する新しい知見を得た(図2)。 |
本発明は、アルデヒドが人の健康に重大な影響を与える因子であり、疾病の予防・治療の評価基準にもなりうることを立証した。