平成27年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
ピラゾールカルボン酸エステルの製造技術の発明(特許第4114754号)
相原 秀典 | 公益財団法人相模中央化学研究所 先端物質化学グループ 主席研究員 | |
荒木 和加子 | 元 公益財団法人相模中央化学研究所 | |
山川 哲 | 公益財団法人相模中央化学研究所 触媒化学グループ 主席研究員 | |
平井 憲次 | 公益財団法人相模中央化学研究所 副理事長 所長 |
21世紀発明貢献賞
宇田川 憲一 | 公益財団法人相模中央化学研究所 理事長 |
本発明は、既存の殺菌剤に対して抵抗性を獲得した耐性菌にも効果を有する新しい殺菌剤の製造原料として有用なピラゾールカルボン酸類(図1)を、安全な操作で極めて効率よく製造する技術に関するものである。
本製造技術は、原料のフッ素置換のアセト酢酸エステル誘導体とメチルヒドラジンとの環化縮合反応による本ピラゾールカルボン酸類の製造工程において、反応をアルカリ水溶液中で行うことを最大の特徴とするもので、95%以上の高収率で本ピラゾールカルボン酸類を製造することが可能であり、かつ、メチルヒドラジンの爆発性を回避した唯一の工業的製造方法である。
安全操業が可能な本技術を利用して製造した本ピラゾールカルボン酸類の生産量は、製造・販売開始以来、累計1,500トンに達し、国内外の農薬メーカーに供給されている(図2)。今後、既存剤やより高性能な新剤への利用を通して、作物の生産性向上にも貢献できると期待している。
図1 ピラゾールカルボン酸の構造式 | 図2 本技術によるピラゾールカルボン酸の生産量 |