平成27年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明賞
強靭なポリペプチド繊維の発明(特許第5540154号)
関山 和秀 | Spiber株式会社 取締役兼代表執行役 | |
関山 香里 | Spiber株式会社 研究開発部門 マテリアルマネージャー | |
石川 瑞季 | Spiber株式会社 研究開発部門 マテリアルマネージャー | |
佐藤 涼太 | Spiber株式会社 研究開発部門 研究開発担当 | |
村田 真也 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) プログラムマネージャー補佐 |
化石資源の枯渇やCO2による地球温暖化が懸念されている昨今、バイオマスを原料とし、軽量性とタフネス(靭性)を併せ持つ、クモの糸に代表されるフィブロイン系ポリペプチド繊維が注目を集めている。
発明者らは、人工的に紡糸されたポリペプチド繊維の延伸工程において、湿熱延伸と乾熱延伸を組み合わせた多段階延伸を行うことにより、繊維の分子配向度が飛躍的に向上することを見出した。本発明の人造ポリペプチド繊維は、軽量且つ安全性に優れた次世代自動車への応用のほか、次世代防衛・防護装備、医療分野、スポーツ、衣料、建築分野に至るまで、幅広い産業分野での活用が期待される。
本発明は、天然のクモが行っている複雑で工業化が困難なプロセスによるポリペプチド繊維の高次構造制御をシンプルで工業化可能なプロセスで実現できることを示した点で大変意義深く、持続可能な社会の実現に向け、本発明の果たす役割は大きいものと考える。