平成26年度全国発明表彰 受賞技術概要(敬称略)
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経済産業大臣発明賞
気体燃料吹き込みによる高強度焼結鉱製造技術の発明(特許第4735660号)
大山 伸幸 | JFEスチール株式会社 スチール研究所 製銑研究部 主任研究員 | |
岩崎 克博 | JFEテクノリサーチ株式会社 ソリューション本部(川崎)CAEセンター 主査(部長) | |
角谷 秀紀 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ 審査第一グループ グループ長代理 | |
長島 康雄 | JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(福山地区) 製銑部 コークス工場 工場長 | |
竹生 博 | JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(福山地区) 設備部 第1製銑設備室 室長 |
発明実施功績賞
林田 英治 | JFEスチール株式会社 代表取締役社長 |
鉄鋼業においては、CO2排出量削減が重要な課題となっている。鉄鋼製造プロセスでは、製鉄原料である焼結鉱を高炉に装入して溶けた鉄を製造している。CO2削減のためには、この焼結鉱の強度を改善することが有効である。
焼結鉱は、鉄鉱石を焼き固めて製造しており、その強度は構成する鉱物組織に大きく影響を受ける。基礎研究において、焼結鉱中のカルシウムフェライト組織が強度の向上に有効であり、この組織は1200~1380℃で生成することを見出した。
さらに、焼結層内において1200~1380℃における反応時間の延長を目的に、焼結機への気体燃料吹き込みを着想した。吹き込み条件を調整することにより、1200~1380℃における反応時間を延長させることが可能となり、焼結鉱の強度を大幅に向上できた(図1)。
2009年に京浜第1焼結工場において、本発明を世界で初めて実用化し、年間最大6万tのCO2排出削減を達成した(図2)。また、2012年には、弊社の国内全焼結機へ本発明を導入し、順調に稼動している。
図1 焼結層内における温度測定結果 | 図2 気体燃料吹き込み設備 (京浜第1焼結工場) |