平成24年度全国発明表彰 受賞技術概要
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特許庁長官賞
大容量光ネットワークにおける高効率多重収容方式の発明(特許第3529713号)
富澤 将人 | 日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 主幹研究員 | |
木坂 由明 | 日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 主任研究員 | |
宮本 裕 | 日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 上席特別研究員 | |
小野 隆 | 日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所 主任研究員 | |
鳥羽 弘 | NTTエレクトロニクス株式会社 フォトニクス事業本部 光システム事業部 事業部長 |
発明実施功績賞
三浦 惺 | 日本電信電話株式会社 代表取締役社長 |
本発明は大量のデータを長距離伝送する大容量光ネットワークに関するものである。大容量光ネットワークは通信局間を接続する基幹ネットワークに用いられるが、急速なブロードバンド環境の普及に伴う通信トラフィックの増加に対応するためには、1波長チャネル当たり最大毎秒10ギガビット(ギガは10億)であった伝送速度のさらなる高速化や、多様な通信サービスの効率的な多重収容が課題であった。本発明は、高速化することに伴い劣化する信号品質をビット誤り訂正機能で補うとともに、様々な通信サービスの信号のクロック周波数ずれを吸収して多重伝送を可能とする、大容量光ネットワーク向けの新しい信号フォーマットを実現する技術である。本発明は毎秒40ギガビット以上の信号伝送が可能なOTN(Optical Transport Network)の信号フォーマットとして国際標準に採用された。OTNは、日本での毎秒40ギガビット通信サービス(2007年)を最初に、現在では世界中の通信事業者により商用サービスが提供されており、社会インフラの基本発明として世界中で利用されている。
図1 本発明で実現されるOTNの信号フォーマット | 図2 OTN信号フォーマットを 処理する「40G OTNフレーマLSI」 (写真提供:NTTエレクトロニクス株式会社) |