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発明協会の表彰事業

平成24年度全国発明表彰 受賞技術概要
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日本弁理士会会長賞
高輝度小型液晶プロジェクターの発明(特許第3826950号)
伊藤 嘉髙
セイコーエプソン株式会社 コア技術開発センター 上席主任研究員
米野 邦夫
セイコーエプソン株式会社 VP要素開発部 基幹社員

発明実施功績賞
碓井 稔
セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長

 本発明は、液晶プロジェクターにおいて、光源ランプの光を効率的に利用して、明るい映像を投写する基本技術に関する。
 従来、光源ランプの光のうち約半分が偏光板に吸収され利用できないことにより投写映像が暗かった。また光の強度が周辺ほど低下してしまうため、投写映像の中央は明るいが隅が暗くなる輝度ムラも発生していた。
 発明者らは、輝度ムラを解消する目的で、光源ランプの光を複数の部分照明光に分割し、それを液晶パネル全体に重ね合わせるインテグレーター光学系の開発を進めていた。そのなかで、部分照明光の隙間である「光が集束しない空間」に注目した。超小型の偏光分離プリズムアレイを用い、その「光が集束しない空間」にて部分照明光を全て単一方向に偏光変換するという斬新な構成を発想した。この構成により、光源ランプのほぼ全ての光を利用しながら、同時に光強度を均一化することが可能となった。その結果、投写映像の暗さと輝度ムラの両方の課題を一度に解消することができた。
 本発明の光学システムは、全世界の液晶プロジェクターの基本技術となっている。近年、液晶プロジェクターは、世界中のあらゆる場面で広く活躍しているが、画像や動画の投写にとどまらず、専用ペンで投写面に書き込むなどの新しいインタラクティブ機能も注目されており、その用途はさらなる拡大を見せている。


図1
従来技術と本発明
の光学系の比較
図2
本発明が採用されている
最新の液晶プロジェクター


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