平成24年度全国発明表彰 受賞技術概要
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朝日新聞発明賞
医療用に用いられる直接変換方式高解像度X線動画検出器の発明(特許第4211435号)
佐藤 賢治 | 株式会社 島津製作所 基盤技術研究所 主任研究員 |
発明実施功績賞
中本 晃 | 株式会社 島津製作所 代表取締役社長 |
医療用X線検出器のフィルムレス化を狙い、高精細な動画と静止画の両方を取得できる高解像度デジタルX線動画検出器を世界で初めて実用化した。
液晶テレビを逆利用してX線を検出する技術に着目。液晶の換わりにアモルファスセレン膜を形成し、アモルファスセレン中でX線が発生させる電荷を電界で誘導する方式の開発を進めた。この方式は、高精細な静止画像が得られるが、残像が大きく、満足いく動画性能が得られずにいた。
発明者は、残像の原因が電界の弱い画素間に停留する電荷の挙動にあると推測。画素電極側から緑色光を照射すると画素間に安定して電荷が保持され、残像が生じないことを発見し、動画性能の問題を解決した。
この検出器を搭載した診断装置は、カテーテル治療やバリウム検査などに利用され、小さな病変の早期発見治療に貢献している。また、被曝量を1/10に低減できる断層撮影法など、従来にない新たな応用への展開が期待されている。
図1 X線検出器の概念および直接変換方式と間接変換方式の違い |
図2 本発明を搭載したX線診断装置と緑色光照射による電気力線の収束効果 |