令和6年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本経済団体連合会会長賞
ネットワークの混雑度推定による端末トラヒック制御技術の発明(特許第4577220号)
中村 元 | KDDI株式会社 執行役員 株式会社KDDI総合研究所 代表取締役所長 | |
岸 洋司 | 株式会社KDDI総合研究所 無線部門 プロフェッショナル |
発明実施功績賞
髙橋 誠 | KDDI株式会社 代表取締役社長 CEO |
本発明は、モバイルインターネット等での輻輳を回避すべく、端末がネットワークの混雑度を推定しながら自律的にトラヒック量を制御する技術である。モバイルインターネットでは、時間や場所によって混雑状況や無線品質が異なるため、ネットワーク側での一元的な管理による制御に加え、端末毎に異なる通信環境に応じた制御が必要とされた。
本発明では、端末内で仮想的な通行券(トークン)を一定レートで発行し、通信時にトークンの消費を条件として通信速度を規制する。非通信時にはトークンをバッファ内に蓄積し、バッファ内のトークンを消費している間に端末内でネットワークの混雑度を推定する。推定結果に応じてトークンの発行レートを決定し、混雑度に応じたトラヒック制御を実現する。
本発明を実装した端末により、過度なトラヒック生成を回避し、定額制モバイルデータ通信サービスの実現やIoTを含むモバイルインターネットサービスの普及に貢献した。
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図1 ネットワークの混雑度推定に基づくトラヒック制御の仕組み |
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図2 本発明が搭載された端末(例) |