令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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文部科学大臣賞
周期性の低いカラーフィルター配列を用いたデジタル撮像素子の発明(特許第5054856号)
田中 誠二 | 富士フイルム株式会社 R&D統括本部 光学・電子映像商品開発センター 技術マネージャー | |
林 健吉 | 富士フイルム株式会社 R&D統括本部 光学・電子映像商品開発センター |
発明実施功績賞
助野 健児 | 富士フイルム株式会社 代表取締役 社長・COO |
デジタルカメラの撮像素子で採用されている従来型のカラーフィルター配列では、被写体の規則的な模様とカラーフィルターの周期的な配列との干渉により色モアレと呼ばれる色付きが画像に発生する。従来は、光学ローパスフィルターを使用して色モアレを抑制していたが、光学ローパスフィルターは光学像の高周波を劣化させるため、これを設けたカメラではレンズが持つ高い解像度を発揮できない問題があった。
本発明は、色モアレが無い写真フィルムの銀粒子が不規則に並ぶ構造に着目して、カラーフィルター配列の周期性の検討を進め、低周期性と補間処理の容易性の条件を満たすカラーフィルター配列を発明した。本発明を採用することで光学ローパスフィルターが不要になり、レンズの本来の解像力を引き出したことで、小型軽量と高画質を両立させたカメラシステムを実現した。これにより、高解像度カメラ市場の活性化に寄与するとともに、映像文化の発展に貢献した。
図1 本発明配列の特徴 | 図2 本発明配列の効果 |