令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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経済産業大臣賞
低速高圧流動を用いたバレル研磨機の発明(特許第5555383号)
小林 知之 | 株式会社チップトン 常務取締役 開発部兼管理部担当 | |
冨田 好之 | 元 株式会社チップトン 開発部 主事 |
発明実施功績賞
小林 史明 | 株式会社チップトン 代表取締役社長 |
本発明は、従来はトレード・オフとされてきた「強力研磨」と「研磨石の省磨耗」を両立するバレル研磨機である。
研磨石はセラミックスなので「硬いが脆い」という特性、つまり「静的な力には強いが、動的な力には弱い」という特性がある。このセラミック特性に着目し、本発明ではバレル槽内に「低速高圧流動」を発生させ、低速によって脆い研磨石の磨耗を抑制すると同時に、高圧によって硬い研磨石の優れた耐磨耗性を最大限に引き出している。
低速高圧流動下で研磨すれば、強い研磨力を保ったまま、研磨石の磨耗を最大70%削減できる(従来機比)。また静穏な流動によって加工中のキズも顕著に減少し、ワーク表面の凹凸高さは0.01μm以下にまで磨き上げることが可能である。
低速高圧流動を用いたバレル研磨機は、「重圧バレル研磨機® 『Mighty・Mild®』」として商品化され、主には精密で清浄な加工が求められる電子部品向けの研磨機として利用されている。