令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本商工会議所会頭賞
共存水分補正機能を備えた赤外線ガス分析装置の発明(特許第3771849号)
足立 正之 | 株式会社堀場製作所 代表取締役社長 | |
中村 博司 | HORIBA Europe GmbH 代表取締役社長 |
本発明は、赤外線ガス分析計による自動車排ガス成分分析に関し、図1に示すように、排ガス中の水分が測定対象成分に対して吸光度スペクトルの重なりによる干渉影響及び分子間相互作用による吸収変化として影響する問題に対し、従来の除湿器による水分除去後の測定(図2左)ではなく、水分を含んだ状態で測定対象成分の濃度を測定すると共に、水分濃度を測定し、その水分濃度に基づいて、スペクトルの重なりを干渉補正し、分子間相互作用による吸収変化を補正し、水分を含んだ状態での排ガス中の測定対象成分の濃度を精度良く得ることを可能にした(図2右)。
本発明により、ありのままの排ガス中の成分が測定可能となり、また、除湿機構の排除により小型化・省電力化に繋がり、自動車を実路走行させた状態において排ガスを測定する、車載型排ガス分析装置を実現した。本装置は、世界の排ガス規制の流れを変え、環境負荷の少ない自動車開発に貢献している。
図1 | 干渉影響と分子間相互作用について説明する図 | 図2 本発明による手法を説明する図 |