令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
近赤外光による液体爆発物等の検査技術の発明(特許第5207462号)
糸﨑 秀夫 | 国立大学法人大阪大学 名誉教授 |
21世紀発明貢献賞
西尾 章治郎 | 国立大学法人大阪大学 総長 |
2005年ロンドンの同時多発テロにおいて、液体爆発物が用いられたことから、液体爆発物を検査する装置の開発が強く望まれていた。
本発明では、可視光よりわずかに波長の長い近赤外光の利用により、ボトルに入った液体の検査を瞬時に可能とすることができた。近赤外光は液体に特有の吸収特性を有するため、液体の判別が可能となる。検査では、事前に収集した多様な液体の吸収特性をデータベースとし、検査液体の吸収特性と比較することにより判別を可能とした。ボトルを開封する必要はなく、装置にボトルなどをかざすだけで、数秒以内に瞬時に判定することができる。
本技術は、航空関連の欧州44か国が加盟する欧州民間航空機関(ECAC)の認証を受け、国際的にその利用が認められている。
本発明は、大阪大学が研究開発し、㈱熊平製作所において販売され、国内空港のみならず、一部の海外空港での利用も始まり、テロ対策として安全安心の社会構築に貢献している。
図1 近赤外光を用いた液体爆発物検査装置の原理図 | 図2 | 液体爆発物検査装置 LSR-M2 ㈱熊平製作所製 |