令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
映像・音声を柔軟に切り替え可能な同期方式の発明(特許第6126583号)
青木 秀一 | 日本放送協会 放送技術研究所 テレビ方式研究部 |
21世紀発明貢献賞
上田 良一 | 日本放送協会 会長 |
本発明は、デジタル放送などの映像・音声といったマルチメディア信号の表示・出力タイミングを揃える「同期」を実現する技術である。
本発明では、圧縮符号化した映像・音声信号をメディアユニットと呼ぶ独立して復号できる単位で構造化し、それらを出力するタイミングを、映像・音声信号とは別の制御情報に協定世界時刻を基準とする時刻で示すこととした(図1)。本発明を用いることで、映像・音声信号をコンテンツに組み立てるための部品として扱えるようになり、部品を組み合わせてさまざまな物を作るように、異なる伝送路で伝送する別々の映像・音声を柔軟に切り替えたり、組み合わせたりしてコンテンツを視聴することが可能になる(図2)。
本発明は、多様な伝送路でのマルチメディア伝送の国際規格ISO/IEC 23008-1における同期方式に採用され、2018年に始まった4K・8K放送の基盤技術として用いられている。さらに、タイミングを揃えたまま複数の映像信号を組み合わせる観点から、より臨場感の高いイマーシブメディアを支える技術に発展している。
図1 本発明の技術要素とその効果 | 図2 映像の切り替え・組み合わせの例 |