令和元年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
超音波楕円振動切削技術の発明(特許第4973827号)
社本 英二 | 国立大学法人名古屋大学 大学院工学研究科 教授 | |
森脇 俊道 | 国立大学法人神戸大学 名誉教授 |
21世紀発明貢献賞
松尾 清一 | 国立大学法人名古屋大学 総長 |
本発明は、従来技術では実用上不可能であった難加工性金型材料(焼入れ鋼やタングステン合金)の超精密・微細切削を実現している。工具と被削材の間に楕円振動を付加して間欠的に切削する方法であり、その振動面を傾斜させることで、切りくずを押し上げると同時に、前後(Y方向)に引きながら材料除去を行う(図1)。その結果、切りくず流出を妨げる摩擦力が減少し、切削力や発熱が大幅に減少する。さらに振動周波数を超音波領域にすることで、仕上げ面の鏡面性を向上させるとともに熱化学的な工具摩耗を抑制する。これらの相乗効果により、金型材料に対する実用的な超精密・微細切削を実現している(図2)。
今後、自動運転の普及やスマートフォンの高機能化に伴ってますます拡大することが予想される光学素子の需要に対し、その量産成形に必要な金型材料の超精密・微細加工技術として、本発明技術が大きく貢献することが期待される。
図1 超音波楕円振動切削プロセス | 図2 | 金型の超音波楕円振動切削と 光学素子成形の例 |