平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本弁理士会会長賞
医療用X線動画像の大域的動き検出による局所鮮明化法の発明(特許第6002324号)
髙野橋 健太 | 株式会社日立製作所 研究開発グループ テクノロジーイノベーション統括本部 デジタルテクノロジーイノベーションセンタ メディア知能処理研究部 研究員 | |
荻野 昌宏 | 株式会社日立製作所 研究開発グループ テクノロジーイノベーション統括本部 ヘルスケアイノベーションセンタ メディカルシステム研究部 主任研究員 |
発明実施功績賞
東原 敏昭 | 株式会社日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEO |
本発明は、体内に挿入したカテーテルやガイドワイヤなどの処置器具の様子を、X線を用いて動画でリアルタイムに描出する医療用透視撮影装置(図1)にかかる映像処理技術である。
本発明の目的は、X線の感受性が高い小児へも適用できるような被ばくの少なさと、微細な処置器具の動きを残像なく鮮明に描出できる画質の高さを両立することである。そこで、低線量で撮影されたノイズの多い画像に対して、映像内の物体の動きを解析して、映像を動きに追従する領域と追従しない領域に分割し、それぞれの領域に対して適切な特性のノイズ低減フィルタを適用する。本手法により、低線量条件下でも、残像の発生を抑制しつつノイズが低減された高画質な動画を生成することを可能とした(図2)。
本発明は、2015年より日立製作所製X線透視撮影システム「CUREVISTA」や「EXAVISTA」などの製品に搭載され、被ばくの少なさと画質の良さの両面で医療従事者から高く評価されている。