平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本商工会議所会頭賞
ハンドリング中の質量測定装置の発明(特許第5977960号)
中谷 誠 | 株式会社イシダ 医療・医薬事業企画室 | |
鈴木 亮民 | 株式会社イシダ 第四開発部 自動システム開発二課 係長 | |
小西 聡 | 株式会社イシダエンジニアリング 技術顧問 |
発明実施功績賞
石田 隆英 | 株式会社イシダ 代表取締役社長 |
近年、工場等における産業用ロボット導入が活発化している。この産業用ロボットが用いられる工場等では、被計量物の質量を計量する工程が多く存在する。
従来、質量を計量する場合、ロボットの傍らに計量器を設置していた。この場合、ロボットにより被計量物を計量器に載せた後、計量値の安定を待つ必要があった。そのため、タクトタイムが長くなる、計量器を設置するスペースが必要となる等の課題があった。
本発明を用いる装置では、ロボットアームとハンドの間に計量器を搭載しながらも上記課題を解決した。具体的には、装置内に力センサとそれと感度方向を合わせた加速度センサを備え、被計量物の搬送中に、これらのセンサにより計測される力と加速度を利用し、質量を算出する。この質量計測を実現するためには、理論上、同時刻に得られる力と加速度が必要となる。しかし、実用上、完全に同期のとれた2つの値を取得するのは困難であった。そこで、連続的に取得される値のうち極値近傍の値を質量算出に利用し、2つの値を取得する時刻ずれの影響を抑制している。本発明により、被計量物の搬送中という不安定な環境を積極的に利用し、ダイナミック(動的)に計量する画期的な質量測定装置が実現した。