平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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内閣総理大臣賞
撮像面位相差オートフォーカス方式を実現するイメージセンサの発明(特許第4500434号)
山﨑 亮 | キヤノン株式会社 イメージコミュニケーション事業本部 ICB開発統括部門 ICB統括第三開発センター 室長 |
発明実施功績賞
御手洗 冨士夫 | キヤノン株式会社 代表取締役会長 CEO |
本発明は、デジタルカメラにおける高画質な撮影とスムーズなオートフォーカス(AF)を両立させた、撮像面位相差AF方式のイメージセンサに関する発明である。
動画撮影においてもスムーズなAFを実現するために画素(光電変換部)の分離を試みたが、その影響で撮影画像の画質が劣化するという課題に直面した(図2左、図3左)。
そこで、分離した光電変換部の感度が互いに重複するように、分離部に工夫を施すことにより、分離されていない画素と同等の感度特性を得ることができた(図2右、図3右)。
本発明は、2013年に世界で初めて製品化されて以来、現在も多くの製品に展開されており、動画撮影においてAFを使った新たな撮影スタイルを提供し、映像表現の幅を格段に広げ、映像文化を大きく発展させることに貢献している。さらには、撮影画像と共に画素単位の「奥行情報」も取得できるため、被写体形状を立体的に把握できる次世代画像認識技術への応用も期待されている。
図1 本発明のイメージセンサとその画素構造 |
図2 本発明による画素の感度特性 |
図3 作例 |