平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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恩賜発明賞
有機EL素子及び有機発光媒体の発明(特許第4221050号)
松浦 正英 | 出光興産株式会社 先進技術研究所 先端素材研究室 | |
舟橋 正和 | 出光興産株式会社 電子材料部 電子材料開発センター 所長付 | |
福岡 賢一 | 出光電子材料韓国株式会社 カスタマーサポート1部 部長 |
発明実施功績賞
木藤 俊一 | 出光興産株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、実用レベルの発光効率と長寿命を有する純青色有機EL発光を実現し、有機ELフルカラーディスプレイの実用化に大きく貢献した発明である。
有機EL技術は、スマートフォンや大型TVといったフルカラーディスプレイへの適用が期待されているが、その実現には、発光効率が高く長寿命であり、かつ、赤緑青の3原色発光が必要となる。このうち、最も高いエネルギーを必要とする純度の良い青色有機EL発光の実現は特に難しく、実用化の目処は立っていなかった。
そこで、有機EL発光過程における再結合と発光を役割分担し、再結合機能をアントラセン系化合物に、発光機能を縮合環アミン化合物に持たせることによって、色純度や寿命特性を大きく向上させることができた。
本発明の適用により有機EL発光における実用レベルでの3原色発光が可能となり、近年の有機ELフルカラーディスプレイを搭載した高機能機器の民生化に大きく貢献している。
図1 発光の基本原理と、本発明の特徴 | 図2 有機EL素子の発光評価 |