1. ホーム >
  2. 発明協会の表彰事業 >
  3. 全国発明表彰 >
  4. 受賞者の発表 >
  5. 受賞発明・意匠概要

発明協会の表彰事業

平成29年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
第一表彰区分一覧へ第二表彰区分一覧へ

文部科学大臣賞
電縫管の溶接部の保証を実現した連続超音波検査技術の発明(特許第4910770号)
飯塚 幸理
JFEスチール株式会社 スチール研究所 計測制御研究部 部長
剣持 一仁
JFEスチール株式会社 知的財産部 知財技術室 主任部員
井上 智弘
JFEスチール株式会社 鋼管センター 鋼管企画部 主任部員
坂下 重人
JFEスチール株式会社 鋼管センター 鋼管企画部 主任部員

発明実施功績賞
柿木 厚司
JFEスチール株式会社 代表取締役社長

 電縫管は、継目無管などと比較して、製造および施工の両面でコストメリットがあり、パイプラインなど広く社会インフラで使われているが、溶接過程で生じる酸化物により溶接品質が低下する場合がある。従来その保証は抜取りの破壊試験でしかできなかったため、-40℃を下回る極寒冷地のような厳しい環境のパイプライン用途には適用できなかった。
 本発明は、溶接品質の劣化原因が微小酸化物群である新知見に基づく逆転の発想による超音波探傷法で全長保証を達成したものである(図1)。アレイ振動子の一部分から適切に集束させた送波ビームを溶接部に入射し、溶接部からの受波ビームをアレイ振動子の別の部分で受波する構成により、微小酸化物群の非破壊連続検査を実現した(図2)。
 この結果、電縫管の信頼性は飛躍的に向上し、従来電縫管を使うことができなかった厳しい環境に適用できるようになった。本発明で連続検査された電縫管は世界各地で採用されている。


図1 本発明の検出対象
図2 フェーズドアレイによる電縫溶接部連続検査技術


前へ / 次へ