平成29年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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日本弁理士会会長賞
ナノセルロースを使用したインクの発明(特許第5545775号)
後居 洋介 | 第一工業製薬株式会社 レオクリスタ事業部 開発グループ 専門課長 兼 東京大学大学院 農学生命科学研究科 博士後期過程(社会人特別選抜)在学中 | |
野田 広司 | 第一工業製薬株式会社 機能化学品事業部 機能化学品開発研究部 合成第一グループ 係 | |
神野 和人 | 第一工業製薬株式会社 レオクリスタ事業部 開発グループ グループ長 | |
磯貝 明 | 東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授 |
発明実施功績賞
坂本 隆司 | 第一工業製薬株式会社 代表取締役 会長兼社長 |
セルロースナノファイバー(CNF)は、パルプをナノサイズまで細かく解きほぐしたもので、植物由来の次世代素材として、近年注目を集めている。第一工業製薬㈱では、東京大学の技術を応用して
CNFをユニークな機能を持つ増粘剤「レオクリスタ」として製品化し、製造販売している。
このCNFを水性ゲルインクボールペンのインクの増粘剤に使用することで、筆記時の粘度を50%低減することが可能となった。これにより、速書きや左利きの筆記など、従来ではきれいな描線を書くことが困難であった筆記状況においても、かすれやインク溜まりが生じにくく、安定した筆記描線が書ける。
本技術は三菱鉛筆㈱によって水性ゲルインクボールペンとして実用化され、2015年より欧米で、2016年からは日本国内でも販売を開始している。本技術はCNFを世界で初めて筆記具用途で実用化した案件であり、2016年に開催された伊勢志摩サミットの応援アイテムとしても協賛している。
図1 レオクリスタの外観 | 図2 CNF配合ボールペン ユニボール シグノ 307 |