平成28年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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内閣総理大臣賞
積層型多機能CMOSイメージセンサ構造の発明(特許第5773379号)
梅林 拓 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 イメージングデバイス開発部門 メモリ技術部 統括部長 | |
高橋 洋 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 イメージングデバイス開発部門 第3開発部 開発1課 | |
庄子 礼二郎 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 イメージングデバイス開発部門 プロセス設計3部 開発2課 統括課長 |
発明実施功績賞
平井 一夫 | ソニー株式会社 代表執行役 社長 兼 CEO |
現在のデジタルカメラには光を電気信号に変換するCMOSイメージセンサと言う半導体撮像素子が必要不可欠である。このイメージセンサを飛躍的な多機能にすることを可能にする新構造の発明である。
同一ウェーハで製造する際には最適化が難しかった、光を取り込む画素と、信号処理回路を完全に分離して製造し、上下に積層する事で画素領域の直下に従来の7倍以上の電子回路を搭載する領域を確保した(13メガピクセル品)。この回路は半導体の世代進化等で低消費電力化・高速化・高性能化等を画素とは独立に進化させることが出来る。
これにより、特に小型化、且つ多機能が要求されるスマートフォンのカメラでの採用が進み、市場でのシェアも伸ばしている。
このような積層構造は3次元積層半導体と呼ばれ、半導体の微細化に代わる新たな成長エンジンとして世界中で研究開発されており、初めて大量生産を実現した事でもこの発明は世界中の半導体関係者から注目されている。