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発明協会の表彰事業

平成28年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明奨励賞
多層フォトニック結晶およびその製造方法の発明(特許第3325825号)
川上 彰二郎
株式会社フォトニックラティス 取締役ファウンダ
東北大学 名誉教授
白石 和男
宇都宮大学 名誉教授

 本発明は多層構造からなる微小な周期構造体(フォトニック結晶)とその形成方法を考案したものである。光の波長の1/2以下の周期をもつ凹凸パタンを形成した基板の上に、屈折率の異なる2種類の誘電体材料を交互に積層する。成膜はスパッタリング法で行ない、同時にスパッタエッチングの効果を取り入れる。基板表面で起こる堆積とエッチングの効果がバランスされることによって、図1のように三角形状の多層構造が安定形成され、繰り返される。
 本製法は再現性が高く、フォトニック結晶の工業的な利用が可能となった。偏光依存性を有する光学素子、例えば偏光子や波長板(位相子)に応用され、光通信デバイスや半導体検査装置などの分野で実用されている。
 また図2のように光軸方向の異なる素子の集積化やパタンの複合化など新しい光学素子の実現が可能となる。特に集積化素子と画像センサを組み合わせた偏光イメージング技術は、透明材料の歪み計測などの分野に応用され市場を築いている。


図1

図2


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