平成26年度全国発明表彰 受賞技術概要(敬称略)
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恩賜発明賞
超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の発明(特許第5212469号)
安島 雄一郎 | 富士通株式会社 次世代テクニカルコンピューティング開発本部 シニアアーキテクト | |
井上 智宏 | 富士通株式会社 次世代テクニカルコンピューティング開発本部 マネージャー | |
平本 新哉 | 富士通株式会社 次世代テクニカルコンピューティング開発本部 |
発明実施功績賞
山本 正已 | 富士通株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、プロセッサを数千~数万ノード接続した、超並列計算機と呼ばれる計算システムに関するものである。相互に接続した所定ノード数のプロセッサを接続の単位として複数の単位をリング状に接続し、さらに多数のリングを格子状に組合せる構成により、高次元の接続を実現する。従来の区画化スイッチを廃し、高次元の接続技術を導入することで、柔軟な区画化機能及び故障隔離機能を実現した。
理化学研究所と共同開発し、2011年に世界最高性能を記録したスーパーコンピュータ「京」注は、本発明により、一般利用を含む多様な並列計算プログラムを同時に実行可能にした。また、粒度の細かい故障隔離により停止プロセッサ数を極小化し、90%を超えるシステム稼働率に貢献した。本発明は、商用のFUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10及びその後継機にも適用されており、将来のエクサスケールスーパーコンピュータにおいても適用が期待されている。
注:「京」は、理化学研究所の登録商標です。
図1 適用例 (6次元メッシュ/トーラス) |
図2 区画内故障隔離の例 |