平成24年度全国発明表彰 受賞技術概要
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21世紀発明奨励賞
大電力無線機の超伝導ハイブリッドフィルタの発明(特許第4264101号)
加屋野 博幸 | 株式会社東芝 研究開発センター 機能材料ラボラトリー・主任研究員 | |
田邊 正宏 | 株式会社東芝 社会インフラシステム社 小向事業所 電波機器統合技術部・参事 | |
篠永 充良 | 株式会社東芝 社会インフラシステム社 電波システム事業部・技監 | |
塩川 教次 | 株式会社東芝 研究開発センター 機能材料ラボラトリー・研究主務 |
21世紀発明貢献賞
佐々木 則夫 | 株式会社東芝 代表執行役社長 |
本発明は、従来比1/10の狭帯域性と従来の超伝導フィルタを5桁以上上回る耐電力性とを両立させた大電力無線機のためのフィルタ回路に関する。狭帯域特性と耐電力特性を合わせ持つ送信用フィルタは従来技術では実現できなかった。これに対して耐電力性に優れた空洞共振器と狭帯域性に優れた超電導共振器を組み合わせて、両者の特長を活かした超伝導ハイブリッドフィルタ回路を発明した。
本発明は耐電力性の低い超伝導共振器を2つの空洞共振器で挟み込むことで大電力が超伝導共振器を通過しない構成を実現し、狭帯域特性と高耐電力特性の両立を可能にした。気象レーダ向けのフィルタを試作し、高電力送信も可能であることを実証した。本発明は周波数有効利用に効果があり、ゲリラ豪雨などの水害対策に向けた高性能気象レーダに適用することによる貢献を始め、便利でありながら省エネ性・安全性を合わせ持つ社会づくりへの貢献が期待できる。
図1 従来技術との比較による本発明の位置づけ | 図2 本発明の超伝導ハイブリッドフィルタ |