平成24年度全国発明表彰 受賞技術概要
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21世紀発明賞
遷移金属酸化物型抵抗変化メモリの基本技術の発明(特許第4608875号)
石田 実 | ソニー株式会社 半導体事業本部研究開発部門 課長 | |
荒谷 勝久 | ソニー株式会社 コアデバイス開発本部セミコンダクタテクノロジー開発部門 担当部長 | |
河内山 彰 | ソニー株式会社 コアデバイス開発本部セミコンダクタテクノロジー開発部門課長 | |
対馬 朋人 | ソニー株式会社 コアデバイス開発本部セミコンダクタテクノロジー開発部門係長 |
21世紀発明貢献賞
平井 一夫 | ソニー株式会社 代表執行役 社長 兼 CEO |
現在、民生用電子機器のデータ記憶装置として、フラッシュメモリが広く使用されている。しかし、電子の保存によりデータを記憶する原理上、素子をさらに微細にして少量の電子で動作させることは容易ではない。
そこで、電子を保存するのとは異なるメモリとして、酸化還元を用いた抵抗変化メモリを発明した。具体的には、2つの電極間に遷移金属などの酸化還元活性物質を含有させ、これを電界下で酸化および還元する。これにより、「素子の電極表面を酸化した層で覆い、電極間を高抵抗にした状態」と、「電極表面の一部を覆わず、電極間を低抵抗にした状態」とを用いてデータを記憶させる。(図1)
抵抗変化メモリは、直径10nmの微細な素子でも動作を確認済みで、構造が単純ゆえ素子を大きくすることなしにメモリ層を多層化できるため、大容量の記憶装置を作るのに好適である。(図2) さらに電極表面という微小領域での反応であるため、高速動作可能である。
抵抗変化メモリは、既存の用途のみならず、その大容量と高速性を生かして、情報処理性能の向上による新しい情報処理サービスの創出への貢献が期待される。
図1 本発明の構造 |
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図2 メモリ層を積層した例 |