平成23年度全国発明表彰 受賞技術概要
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日本経済団体連合会会長発明賞
3ウエットオン塗装用新塗料技術の発明(特許第3831266号)
山根 貴和 | マツダ株式会社 技術研究所・主幹研究員 | |
重永 勉 | マツダ株式会社 技術研究所・アシスタントマネージャー | |
渡邉 正一 | 日本ペイント株式会社 R&D本部 開発研究所 水性塗料研究グループ・マネージャー | |
垣井 拓広 | 日本ペイント株式会社 自動車塗料事業本部 中上塗料技術部・係長 |
発明実施功績賞
山内 孝 | マツダ株式会社 代表取締役会長 社長兼CEO | |
酒井 健二 | 日本ペイント株式会社 代表取締役社長 |
本発明は,低溶剤型塗料により基材に中塗り/ベース/クリアの3層をウエットオン塗装で塗膜物性の優れた高外観の自動車車体等の積層塗膜を形成するものである。
溶剤(VOC)含有量の少ない低分子量樹脂を3ウエットオン塗装に適用する場合,中塗りとベースの界面で塗料の混ざり,色の濁りが生じその抑制が課題になる。本発明はこの課題に応じてバリア層機能を持つ界面制御用樹脂を中塗り塗料に添加したことを特徴とするものである。この界面制御用樹脂は,コア・シェルから成る2層構造のアクリル樹脂であり,中塗りの塗装時には均一に分散されているが,塗装してしばらくすると中塗り表面に移行して,中塗りとベースの間に高粘性バリア層を形成し,色の濁りを防止する。
本発明により,外観品質,耐久品質等塗膜性能の向上,及び塗料中のVOC量の約30%を削減できる。また,中塗りブース,焼付け乾燥炉が不要となりCO2を15%削減できる。