平成23年度全国発明表彰 受賞技術概要
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発明協会会長賞
超々臨界圧ボイラー用高耐水蒸気酸化鋼管の発明(特許第3632672号)
伊勢田 敦朗 | 住友金属工業株式会社 鋼管カンパニー特殊管カスタマー技術部 専任部長 |
発明実施功績賞
友野 宏 | 住友金属工業株式会社 代表取締役社長 |
本発明は火力発電の中枢である高温高圧蒸気をつくるボイラーチューブに関する。
近年急激に増加する電力需要の約40%を安心安全な石炭火力発電が担う。しかし従来の火力発電は発電効率が41%どまりであった。本発明は、独創的な化学成分として従来は不純物扱いされていた銅と窒素を用いてそのナノ析出で高温強度を高めるとともに、革新的な加工・熱処理技術として析出物を制御した均一な超細粒組織を実現して耐水蒸気酸化性を高め、レアメタル(ニッケルやニオブ)を大幅に削減して安価なステンレス鋼ボイラーチューブ(商標SUPER304H)とした。
本発明は、高温高圧蒸気(例600℃、25MPa)を使った高効率な石炭火力発電(超々臨界圧ボイラーの発電効率43%)を世界に実現し、日本発のグローバルスタンダード材料としてCO2排出量の削減に世界規模で貢献している。さらに将来のクリーンエネルギーである高効率太陽熱発電、バイオマス発電や石炭ガス化複合発電への応用が期待されている。