平成23年度全国発明表彰 受賞技術概要
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朝日新聞発明賞
古木化を促進して楽器の音色を改善する方法の発明(特許第3562517号)
阿部 裕康 | ヤマハ株式会社 総務部CSR推進室 主事 | |
藤井 順治 | 元 ヤマハ株式会社 |
発明実施功績賞
梅村 充 | ヤマハ株式会社 代表取締役社長 |
バイオリン、ギターなどのアコースティック楽器の音響特性は、楽器本体を形成する木材の性質に拠るところが大きく、経年変化により優れた音色を得られることは良く知られている。
発明者らは、この経年変化の現象に注目し、木材を所定の環境下に一定時間置くことでも、木材を構成する要素が短時間で経年変化と同様の化学変化を起こし、その音響特性を分析すると、楽器に好適であることを見出した。具体的には、楽器本体となる木材を高圧水蒸気中に投入し、音響特性として最適となる処理条件を、数々の試作と試験・評価を重ねて設定し、本発明の完成に至った。
この発明により、音響特性の優れた楽器材料を、短時間かつ均質に得ることができ、多くの演奏家のみならず、演奏家を目指す人々のために優れた音色の楽器を提供することが可能となった。本発明は、各種の楽器に適用され、その音色は様々なジャンルの著名演奏家から高評価を得ている。