令和7年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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WIPO賞
風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明(特許第5318008号)
大内 一之 | 株式会社大内海洋コンサルタント 代表取締役 | |
鵜澤 潔 | 学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 所長 |
発明実施功績賞
橋本 剛 | 株式会社商船三井 代表取締役 社長執行役員 | |
山口 眞 | 株式会社大島造船所 代表取締役社長 |
本発明は、硬質翼を備えた風力推進船の帆を上下伸縮することにより、高さ調整が可能な硬翼帆に関するものである。帆全体をテレスコピック方式で上下伸縮させることにより、帆面積の拡大・縮小を実現し、空力中心の位置を調整可能である。また帆の上下伸縮機構を活用することで、橋桁の高さ制限や荷役時の陸上荷役装置との干渉問題も解決する。
本発明は気候変動や地球温暖化問題に対応するため、化石燃料に代わる推進エネルギー源として風力エネルギーを活用するものである。国際海事機関は2050年までに国際海運からの温室効果ガス排出をゼロにする目標を掲げており、その技術開発の潮流に沿ったものである。
この硬翼帆は、2022年10月に載荷重量約10万トンのバルクキャリア「松風丸」に搭載され、約2年半の航海実績において、1航海平均で約5~8%、1日で最大約17%の燃料節減効果が記録されている。
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図1 帆の上下伸縮イメージ |
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図2 松風丸とウインドチャレンジャー(本発明による硬翼帆) |