令和7年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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発明協会会長賞
最先端液晶ディスプレイの高画質化を実現する光配向膜の発明(特許第6056759号)
作本 直樹 | 日産化学株式会社 材料科学研究所 半導体周辺材料研究部 | |
堀 隆夫 | 日産化学株式会社 知的財産部 知財開発室 |
発明実施功績賞
八木 晋介 | 日産化学株式会社 代表取締役 取締役社長 |
本発明は、ポリイミドを用いた光配向膜の製造において、特定の有機溶媒を用いて洗浄処理を施すことで、液晶配向膜の基本性能の一つである秩序性(異方性)を高め、さらには液晶ディスプレイの表示品位に大きな影響を与える膜厚ムラを克服した発明である。
液晶ディスプレイの高精細化、大型化にともない、光配向膜は、画質、歩留まり向上の利点があるため注目されていたが、特に高視野角を確保する液晶ディスプレイにおいて、液晶の配向能力が低いことが、実用化の大きな課題の一つであった。
上記課題を解決するため、光配向膜の製造において、特定の溶媒で洗浄する工程を発明し、液晶の配向能力が向上し、得られる液晶ディスプレイが高い表示性能を発揮することを見出した。本発明の製造方法により、4K、8Kをはじめとする超高画質の液晶ディスプレイを量産することが可能となり、本発明は、高画質な液晶表示素子の製造に必要不可欠の技術となっている。
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図1 本発明の製造プロセス |
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図2 液晶ディスプレイ及びその液晶配向膜 |