令和7年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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経済産業大臣賞
麺等の絡まりやすい物品を定量に取り分ける自動装置の発明(特許第7161207号)
前田 修一 | 株式会社イシダ 第四開発部 自動システム開発一課 課長 | |
大林 勇次郎 | 株式会社イシダ 開発統括部 開発統括二課 主任 | |
北條 正晃 | 株式会社イシダ 第三開発部 自動システム技術課 係長 |
発明実施功績賞
石田 隆英 | 株式会社イシダ 代表取締役社長 |
本発明は、調理麺やきんぴらごぼうなど、難搬送性の食材を計量し、所定重量ごとに取り分ける装置に関するものである(図1)。
上記食材は、振動による搬送が困難なため自動化が進まず、手作業に頼っており、多くの人手を要していた。また、衛生上の理由から調理後すぐの高温状態(約80℃)の食材を取り分ける必要があった。
そこで本発明は、複数のロボットハンドにより同時に少量ずつ食材を把持して計量し、計量結果を組み合わせ、組み合わせ結果に基づき所定重量のハンドの組を順次開放して食材を排出する「マッチング計量方式」によって、難搬送性の食材を定量計量し取り分け可能とした(図2)。
本発明により、4名の手作業で毎時4,000食、下流工程での手直し発生約22%だった状況を、補充者1名と2台の装置で毎時4,400食、手直し発生2%未満に改善した。本発明は、生産性向上と労働環境改善を実現させ、持続可能な食品生産の基盤構築に貢献する技術である。
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図1 発明を搭載した装置の外観 |
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図2 食材の取り分け制御の動作ステップ |