令和6年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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内閣総理大臣賞
半導体積層プロセスにおけるCu-Cu接続技術の発明(特許第5939184号)
藤井 宣年 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第2研究部門 2部 3課 | |
萩本 賢哉 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第2研究部門 2部 統括部長 | |
青柳 健一 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第2研究部門 6部 担当部長 | |
香川 恵永 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第2研究部門 5部 統括部長 |
発明実施功績賞
十時 裕樹 | ソニーグループ株式会社 取締役 代表執行役 社長 COO 兼 CFO |
本発明は、半導体基板同士を接合すると同時に、半導体回路上のCu(銅)電極同士を導通させるCu-Cu接続技術を用いた積層半導体の製造方法に関する技術である。
積層半導体において、接続電極数や配置が制限されないCu-Cu接続技術の大量生産が要求されていたが、接合容易性の異なる絶縁膜やCuが混在する接合面を安定して接合することが、大きな課題の一つであった。
そこで本発明では、Cu電極を含む接合面全面に絶縁性薄膜を成膜することを考案した。それにより、均一な絶縁性薄膜同士の接合となり、安定した接合を実現する。電気的接続は、接合後の熱処理でCuを結晶成長させ、絶縁性薄膜を破壊して導通を得る。本発明の方法によりCu-Cu接続を用いた積層半導体の安定した大量生産を実現した。
本発明を用いたCu-Cu接続技術は、高密度な回路同士の接続による機能向上など、将来の半導体デバイスの性能向上に不可欠な技術となっている。
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図1 絶縁性薄膜を介したCu-Cu接続の概念図 | 図2 Cu-Cu接続された回路の断面画像 |