令和5年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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発明協会会長賞
心臓血管内治療中における治療用器具の表示方法改善の発明(特許第5523791号)
坂口 卓弥 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 研究開発センター 臨床応用研究部 部長 | |
南部 恭二郎 | 元 東芝メディカルシステムズ株式会社 医用システム研究開発センター 研究開発戦略企画部 | |
竹元 久人 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 VL事業部 VLマーケティング&プロモーション部 VLアップストリームマーケティング担当 グループ長 |
発明実施功績賞
瀧口 登志夫 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、心臓治療を支援する画像処理技術に関するものである。
世界の死因の約2割を占める虚血性心疾患では、狭くなった心臓血管を内側から拡げる血管内治療が主流である。血管内治療は、患者の負担が小さいが、動く心臓の治療箇所に治療器具をミリ単位で精度良く留置するという高度な技量を要する。
そこで本発明では、治療箇所のX線画像を連続的に取得し、画像上で動く治療器具を画像毎に認識・検出し、治療器具が画像間で同じ位置になるように動き補正を行い、強調・拡大して即時動画表示する。これにより、実際は心臓とともに動き続ける治療器具が、医師が観察する画像では静止しているようにリアルタイム動画表示される。
本発明により、治療器具の視認性が向上し、精度良く留置が行えるようになった。そして、治療成績の向上、治療難度の低下、患者・医療従事者に優しい治療に寄与し、命を救う技術として心臓治療の場で日々使用されている。
図1 | 治療箇所への精度良い留置が望まれる治療 器具 |
図2 | 従来の表示(左:治療器具が動く かつ不明瞭)と本発明の表示(右:治療器具が静止する かつ明瞭) |