令和3年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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未来創造発明奨励賞
強制薄膜回転式反応法を用いた微粒子の製造技術の発明(特許第5500597号)
榎村 眞一 | エム・テクニック株式会社 代表取締役会長 |
未来創造発明貢献賞
石橋 しのぶ | エム・テクニック株式会社 代表取締役社長 |
本発明は微粒子の製造技術に関するものである。微粒子、特に粒子径が100nm以下のナノ粒子は、固体材料とは異なる特性が発現するため、産業界からの期待が大きい。
他方、従来の製造技術では均一な粒子を得るのが困難であり、また、一般的なマイクロリアクターでは流路閉塞や導入用ポンプのエネルギーロス、スケールアップに対する課題がある。
本発明では、接近・離反可能な相対的に回転する2枚のディスクの間を、1mm以下の微小間隔に維持し、そこに反応液A、Bを導入し混合することによって形成される強制薄膜中で微粒子を析出させることにより、目的に叶った粒子径、結晶性等を備えた均一・均質な微粒子が得られる。その上、ディスク回転に伴う自己排出作用によって流路閉塞が解消されるとともに、反応効率が向上しエネルギーロスが低減する。さらに、ディスクサイズ拡大によるスケールアップによって大量生産を実現し、工業上の利用価値は高い。
図1 本発明の機構説明図 |
図2 本発明を用いた微粒子製造装置 左:反応部ディスク径がΦ75の卓上実験機 右:反応部ディスク径がΦ100の実験機/パイロット機/生産機 |