令和３年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要（敬称略）
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日本弁理士会会長賞
銀ＨＡコーティング抗菌性人工関節の発明（特許第６１９２０１４号）
| 馬渡 正明 | 佐賀大学 教育研究院医学域医学系 教授 （佐賀大学 医学部整形外科学講座 教授） | |
| 塚本 正紹 | 佐賀大学 教育研究院医学域医学系 助教 （佐賀大学 医学部整形外科学講座 助教） | |
| 野田 岩男 | 京セラ株式会社 メディカル事業部 研究部 研究企画課 研究員 |
発明実施功績賞
| 谷本 秀夫 | 京セラ株式会社 代表取締役社長 | |
| 兒玉 浩明 | 国立大学法人佐賀大学長 |
本発明は手術後の感染リスクの低減が期待される抗菌性人工関節に関するものである。
変形性関節症等の手術に使用される人工関節の最も重篤な合併症は術後感染であり、感染率は約1％と低いが、治療には長期入院と多額の治療費が必要となる。術後感染は細菌が人工関節周囲で増殖し、バイオフィルムを形成することで重篤化する。
既存技術では人工関節表面に銀コーティングを施す技術が欧州で使用されているが、多量の銀イオンによるアルギリア（銀皮症）の発症などが懸念されている。
本発明は、銀含有ハイドロキシアパタイト（銀HA）コーティングにおいて、皮膜中の銀濃度と水和処理を規定し、銀イオンの溶出挙動を制御して、バイオフィルム形成阻害効果を発揮すると同時に生体への銀イオンの影響を回避した技術である。
本発明は佐賀大学における基礎研究と臨床試験を経て「抗菌性人工股関節」（図1）として実用化し、また「抗菌性脊椎ケージ」（図2）にも応用展開した。
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| 図１ 抗菌性人工股関節 | 図２ 抗菌性脊椎ケージ |
