令和3年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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恩賜発明賞
大視野CT検出器用データ読み出し方法の発明(特許第5135425号)
宮崎 博明 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 CTMR事業統括部 CT事業部 CT開発部 CTハードウェアユニット開発担当 主幹 | |
荒舘 博 | 元 東芝メディカルシステムズ株式会社 |
発明実施功績賞
瀧口 登志夫 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長 |
本発明は、医用X線CTに搭載される大視野CT検出器のデータ読み出し方法に関するものである。
検査適用範囲の拡大や患者の負担軽減のため、CTの開発では1スキャンでの撮影範囲の拡大及び検査時間の短縮のために検出器の大視野化が進められていた。これに伴い検出素子数が増大し、検出素子への配線数及び各検出素子からの出力信号を処理するための回路規模の増大が課題となっていた。
本発明では、検出器の各素子内にスイッチを配置し、時分割で信号を取り出すことにより配線数を減少させ、処理回路も処理単位をブロック化し並列処理を行うことで回路数を削減しつつ、CTの要求仕様を満たす高速なデータ読み出しを実現した。これにより、1スキャンで16cmのスキャン範囲を有する大視野CTの製品化に成功した。
本発明を適用したCTにより、脳や心臓のような臓器全体を1回転でスキャンすることが可能になり、従来スキャン方式よりも被ばく線量を大幅に低減することができる。
図1 本発明を適用した大視野CT検出器 | 図2 本発明を適用したCTと従来型CTの比較 |