令和2年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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特許庁長官賞
大容量光通信用ディジタルコヒーレント受信システムの発明(特許第5444877号)
小泉 伸和 | 富士通アドバンストテクノロジ株式会社 システムソリューション統括部 高速回路設計サービス部 | |
星田 剛司 | 富士通株式会社 未来ネットワーク統括部 先行技術開発室 室長 | |
谷村 崇仁 | 元 富士通株式会社 未来ネットワーク統括部 先行技術開発室 | |
中島 久雄 | 富士通株式会社 未来ネットワーク統括部 先行技術開発室 マネージャー | |
中牟田 浩志 | 富士通アドバンストテクノロジ株式会社 システムソリューション統括部 モデルベース設計サービス部 シニアマネージャー | |
中山 典保 | 富士通アドバンストテクノロジ株式会社 システムソリューション統括部 高速回路設計サービス部 部長 |
発明実施功績賞
時田 隆仁 | 富士通株式会社 代表取締役社長 |
光ファイバ伝送中の波形歪みをディジタル信号処理により補償するディジタルコヒーレント受信システムでは、受信アナログ信号を正確なタイミング(位相)でディジタルサンプリングすることが重要であるが、光ファイバ特有の偏波分散と偏波状態の変動による波形歪みが存在する条件下で、サンプリング位相を正確に検出することがこれまでの課題であった。本発明では、異なる歪みに対応した複数の等化フィルタと、その対となる複数の位相検出回路を用いるサンプリング位相検出方法により、どんな偏波状態や偏波分散に対しても位相ずれ検出が担保される、偏波状態や偏波分散に無依存な安定なディジタルサンプリングを可能とした。
本発明は、ディジタルコヒーレント受信システムを用いた大容量光伝送システムの実用化と普及に貢献し、今尚続く光伝送技術の大容量化を通して、ICTを活用した新サービスの創出や新しい社会システムの構築にも寄与することが期待される。
図1 ディジタルコヒーレント受信システム | 図2 本発明のサンプリング位相検出器の構成 |