平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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特許庁長官賞
燃料電池車用空気圧縮機の発明(特許第5353383号)
平野 貴之 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 FCプロジェクト 第111G 主担当員 | |
山田 一穂 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 FCプロジェクト プロジェクトリーダー | |
曽和 真理 | 株式会社豊田自動織機 技術・開発本部 R&D統括部 企画管理室 企画G グループ長 | |
藤井 俊郎 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 技術企画部 主査 | |
奈須田 勉 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 技術企画部 評価室 企画G メンバー | |
城丸 勝俊 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 FCプロジェクト 第112G メンバー | |
鈴木 文博 | 株式会社豊田自動織機 コンプレッサ事業部 FCプロジェクト 第112G ワーキングリーダー |
発明実施功績賞
大西 朗 | 株式会社豊田自動織機 取締役社長 |
本発明は、燃料電池車の燃料電池に酸素を送るための空気圧縮機に関するものである。
従来の圧縮機では、燃費性能に関わる低流量・低吐出圧から加速性能に関わる高流量・高吐出圧まで、広い運転領域にわたる高効率な運転が困難であった。
本発明は、ルーツ式圧縮機において、回転数に応じて圧縮メカニズムが切り替わるよう、ロータ形状を工夫したものである。
ロータにねじりを加えると、ロータの噛合い箇所には吐出ポートにつながる連通孔が形成される。通常運転時は、この連通孔を介して圧縮途中の空気が吐出ポートへと抜けるが、高速運転時は、空気が抜けきる前にロータ室内での圧縮行程を完了させるようなロータ外形とした(図1)。これにより、ロータ回転数による外部圧縮と内部圧縮の切替えがなされ、広い運転領域にわたる高効率な運転が実現できた(図2)。
本発明は、世界初の量産型燃料電池車に適用され、ガソリン車と遜色ない航続距離と運動性能の両立に貢献している。
図1 本発明の構造 |
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図2 本発明の効果 |