平成28年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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朝日新聞社賞
瓦記録方式を用いたHDDの発明(特許第3689638号)
濱口 雄彦 | 株式会社HGSTジャパン Technology and Architecture Group シニアマネージャー | |
髙野 公史 | 株式会社HGSTジャパン 代表取締役 | |
丸山 洋治 | 株式会社HGSTジャパン Head Advanced Technology シニアテクノロジスト | |
井手 浩 | 株式会社HGSTジャパン RSS Staging and Research エンジニアリング ダイレクター | |
西田 靖孝 | 株式会社HGSTジャパン Global Technology Staging プロダクト マネージャー | |
澤口 秀樹 | HGST, Inc.(米国法人) RSS Flash Channel プリンシパル | |
中村 敦 | 株式会社日立製作所 研究開発グループ 中央研究所 企画室 主任技師 | |
富山 大士 | 学校法人秋草学園 秋草学園短期大学 幼児教育学科 専任講師 |
従来のハードディスク(HDD)ではデータトラックが独立して配置されている。記録容量を増やすためには記録ヘッドのサイズを小さくする必要があり、これ以上記録ヘッドのサイズを小さくすると、その性能を保てなくなる課題に直面していた。
本発明では、隣り合うデータトラックの一部が重なるように順次記録する瓦記録方式を採用して(図1)、記録容量を飛躍的に増やすことに成功した。ただし以前に記録されたデータトラックを更新しようとすると、隣のデータトラックを書き消してしまう恐れがある。そこで、新しいデータを直接上書きせずに、ディスクの未使用の領域に追加記録する仕組みを採用した。本発明では、新旧データの対応関係を間接参照テーブルに保持し、データの読み出しの際には最新のデータを参照することで、従来のHDDとの互換性を保っている。
本発明は弊社HDD製品(図2)や他社の大容量HDDにも適用され、データセンタ用途に広く利用されている。