平成27年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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恩賜発明賞
燃料電池を急速暖機する制御方法の発明(特許第4458126号)
真鍋 晃太 | トヨタ自動車株式会社 FC技術・開発部 部付プロジェクト推進グループ 主幹 | |
今西 啓之 | トヨタ自動車株式会社 FC技術・開発部 FC制御システム設計室 第2システムグループ グループマネージャー | |
小川 朋也 | トヨタ自動車株式会社 FC技術・開発部 FC制御システム設計室 第1システムグループ 一般 |
発明実施功績賞
豊田 章男 | トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 |
本発明は燃料電池(以下FC)の氷点下始動性向上に関するものである。
FCは発電中に水以外を排出しないが、寒冷地においてはこの生成水が凍結し、発電停止に至る大きな課題を抱えていた。自動車市場は寒冷地にも広く分布しており、燃料電池自動車(以下FCV)の普及に向けて、従来車と変わらない寒冷地性能を確保することは避けては通れない最重要課題であった。
トヨタ自動車は日本自動車部品総合研究所との基礎研究である、氷点下発電現象の可視化を通じて、氷点下環境においても発電可能な時間を数分オーダーで確保できることを発見した。本発明はこの時間内に0℃以上に昇温するために必要な発熱量と、その時の自立システム運転に必要な発電量を両立する動作点を導出し、その動作点に制御する技術である。結果として氷点下始動性を実用レベルに向上させ、水素社会の実現に向けセダンタイプの新型FCV「MIRAI(ミライ)」の一般向け販売を2014年12月から開始した。
図1 燃料電池 急速暖機運転の概念 | 図2 急速暖機動作点の決定 |