令和7年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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朝日新聞社賞
衛生用品から高純度パルプを再生する技術の発明(特許第6290475号)
小西 孝義 | ユニ・チャーム株式会社 リサイクル事業推進室 4G シニアマネージャー | |
平岡 利夫 | ユニ・チャーム株式会社 グローバル開発本部 開発企画部 商品評価G 主管 | |
山口 正史 | ユニ・チャーム株式会社 グローバル開発本部 ライフタイムバリュー共創部 チーフテクノロジスト | |
亀田 範朋 | ユニ・チャーム株式会社 リサイクル事業推進室 室長 | |
市浦 英明 | 国立大学法人高知大学 教育研究部 自然科学系農学部門 教授 |
発明実施功績賞
高原 豪久 | ユニ・チャーム株式会社 代表取締役 社長執行役員 |
本発明は、使用済みの衛生用品に含まれるパルプを清浄化し安全・安心で再利用可能な資源として再生する技術である。
衛生用品の排出量は年々増加、焼却負荷やCO2排出の課題があった。また、パルプは貴重な森林資源であることから、水平リサイクルを実現する技術開発に着目した。開発当初、使用済み衛生用品の再生処理に起因する残留物を残すことなくパルプ繊維の内部まで十分に清浄化することが困難であった。
酸性水溶液中での処理及び酸性条件下でのオゾン処理により、再生処理起因の残留物等を残すことなく、オゾン処理の均一性と反応性を高めることを実現。汚れたパルプの分離・洗浄・殺菌・消毒・漂白・脱臭を同時に実現し、高い清浄度の安全・安心なパルプ繊維へと再生すること及び再生処理の経済的な合理性の成立に成功した。
本発明で再生したパルプ繊維を再度、衛生用品の一部に使用し、持続可能な循環型社会の実現への貢献が期待される。
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図1 本発明の目指す衛生用品(紙パンツ・紙おむつ)の水平リサイクルとオゾン処理の様子 |
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図2 オゾン処理で安全できれいな状態に戻したパルプを使った商品 |