令和6年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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未来創造発明奨励賞
耐久性の高い水素キャリアとしての有機ハイドライド製造装置及び製造方法の発明
(特許第6758628号)
(特許第6758628号)
光島 重徳 | 国立大学法人横浜国立大学 大学院工学研究院 教授 | |
長澤 兼作 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター 主任研究員 | |
錦 善則 | デノラ・ペルメレック株式会社 技術アドバイザー | |
加藤 昭博 | デノラ・ペルメレック株式会社 開発部 グループリーダー | |
尾形 節郎 | 元 デノラ・ペルメレック株式会社 研究開発部 主査 | |
Zaenal Awaludin | デノラ・ペルメレック株式会社 開発部 主任 | |
眞鍋 明義 | デノラ・ペルメレック株式会社 エネルギー事業開発営業部 シニアアドバイザー | |
佐藤 康司 | ENEOS株式会社 執行理事 中央技術研究所長 | |
松岡 孝司 | ENEOS株式会社 中央技術研究所 先進技術研究所長 |
未来創造発明貢献賞
梅原 出 | 国立大学法人横浜国立大学 学長 | |
大倉 誠 | デノラ・ペルメレック株式会社 代表取締役社長 | |
山口 敦治 | ENEOS株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 |
再エネはコストが低減して普及が進む一方で、発電と消費の時間や場所が一致しないことや需給が一致しないことが課題となっている。これらの課題を解決するために、再エネとトルエンから有機ハイドライド(メチルシクロヘキサン(MCH))を合成する有機ハイドライド電解合成法が開発された。この技術は、MCHを安価に合成することのできる画期的な技術であったが、本発明出願当時は製造効率が短期間で低下するという耐久性の問題があった。
本発明では、まずこの製造効率低下の原因の一つが、イオン交換膜を透過したトルエンやその反応物質であることを特定した。さらに、適切な位置にガスを導入して速やかにトルエンを除去することにより、電解槽の経時的な製造効率の低下を大幅に抑制することに成功した。本発明により、実証スケールへ移行することができ、2023年には豪州でのパイロットプラントの建設、運転や日豪間のグリーン水素サプライチェーン実証にも成功した。
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図1 豪州ブリスベンに設置した電解槽 | 図2 ガス導入によるトルエンの除去 |