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発明協会の表彰事業

令和5年度全国発明表彰 選考経過報告

 令和5年度全国発明表彰の選考経過につきまして、ご報告申し上げます。
 本表彰の候補につきまして、昨年7月に、朝日新聞紙上などを通じて公募するとともに、全国各地域の発明協会をはじめ、関係諸団体に候補の推薦を依頼いたしました。

 その結果、全国の学界や産業界など各界より、多くの優れた発明や意匠、並びに功労者の方々の推薦を頂きました。
 審査に当たりましては、選考委員会において慎重な審議を行い、恩賜発明賞や内閣総理大臣賞、並びに未来創造発明賞など、各賞を選考いたしました。

 恩賜発明賞に選考されたのは、キリンホールディングス株式会社の藤原大介氏をはじめ3名による、『乳酸菌を含む免疫賦活用食品組成物の発明』でございます。
 従来の乳酸菌などは、生体内の免役系の一部の免疫細胞のみを活性化させるもので、免疫機能を維持する効果は限定的でした。

 本発明は、免疫の司令塔となるプラズマサイトイド樹状細胞に作用し、免疫細胞全体を活性化することで、広い免役賦活効果をもたらす乳酸菌を含む免疫賦活用食品組成物を見出し、実施化したものです。
 プラズマ乳酸菌として、ヨーグルト、サプリメント、清涼飲料などの様々な商品に展開され、人びとの健康に貢献しております。

 また、未来創造発明賞には、株式会社OUIの清水映輔氏による『スマートフォンを活用した  眼科診断のための近接撮影用装置の発明』を選考いたしました。
 本発明は、スマートフォンに装着し、その光源とカメラを利用して、眼科の診断に必要なスリット光などの光を作り、眼の画像を撮影することで、従来の細隙灯顕微鏡と同様に、白内障やアレルギー性結膜炎など多岐にわたる診断が可能となりました。

 撮影した画像を遠隔診断に活用することができ、場所、時間、人などの制約にとらわれず、診療につなげることができるため、特に開発途上国や国内の過疎地域での診断に貢献するもので、さらなる普及が期待されます。

 他の受賞発明や意匠につきましても優れたものばかりであり、ご紹介すべきと存じますが、詳細は お手元の『功績概要』をご覧いただければと存じます。

 本日、受賞された皆様には、これを機に、より一層研究開発や意匠の創作に邁進されますようご期待申し上げます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが選考経過の報告とさせていただきます。

令和5年6月12日

公益社団法人 発明協会

全国発明表彰 選考委員会
委員長  榊  裕之