令和2年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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未来創造発明賞
再生医療用多能性幹細胞の培養基材の発明(特許第5590646号)
関口 清俊 | 国立大学法人大阪大学 蛋白質研究所 寄附研究部門教授 | |
二木 杉子 | 学校法人大阪医科薬科大学 大阪医科大学 医学部 生命科学講座 助教 | |
谿口 征雅 | 国立大学法人大阪大学 蛋白質研究所 寄附研究部門助教 | |
林 麻利亜 | 学校法人武庫川学院 武庫川女子大学 薬学部 助教 | |
中辻 憲夫 | 国立大学法人京都大学 名誉教授、 株式会社幹細胞&デバイス研究所 取締役最高顧問 | |
宮崎 隆道 | 株式会社レイメイ 研究開発・製造部 部長 | |
川瀬 栄八郎 | 国立大学法人京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 附属ヒトES細胞研究センター 特定講師 | |
末盛 博文 | 国立大学法人京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 附属ヒトES細胞研究センター 准教授 |
未来創造発明貢献賞
西尾 章治郎 | 国立大学法人大阪大学 総長 | |
湊 長博 | 国立大学法人京都大学 学長 |
本発明は、医療応用に適したヒト多能性幹細胞(ES細胞・iPS細胞)を安全かつ安定的に培養・増幅するための培養基材と培養法を提供するものである。
従来、ヒト多能性幹細胞はマウス線維芽細胞を足場として培養されてきた。しかし、この方法では異種動物成分が混入するだけでなく、単一細胞まで分散すると速やかに細胞死がおこるため、培養操作には熟練が必要であった。
本発明では、初期胚の多能性幹細胞がラミニン-511というタンパク質を足場としていることに着目し、その活性を保持した組換え断片(図1)を培養基材とするヒト多能性幹細胞の培養法を確立した。この組換え断片は全長タンパク質よりも足場活性が強く、単一細胞分散での継代が容易であり、熟練者でなくてもヒト多能性幹細胞を培養することが容易である。
本発明は、京都大学が進めている医療用ヒトES細胞及びiPS細胞の製造で使われており、ヒト多能性幹細胞を利用した日本発の再生医療の実現に大きく貢献している(図2)。
図1 ラミニン-511組換え断片の構造 | 図2 再生医療における本発明の用途 |