令和2年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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文部科学大臣賞
疾患の早期発見に有用な尿検体分析装置の発明(特許第6232046号)
川野 雅典 | シスメックス株式会社 HU事業推進本部 UB事業推進部 係長 | |
河合 昭典 | シスメックス株式会社 クリニカルイノベーション本部 担当課長 | |
小篠 正継 | シスメックス株式会社 第二エンジニアリング本部 ハードウェア技術グループ 課長 | |
長岡 加奈子 | 元 シスメックス株式会社 |
発明実施功績賞
家次 恒 | シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長 CEO |
本発明は、尿中の赤血球、白血球、非扁平上皮細胞、異形細胞、細菌等の有形成分を高精度に検出する尿検体分析装置に関するものである。
従来、自動分析装置では臨床的意義の高い腎臓由来の尿細管上皮細胞や膀胱由来の尿路上皮細胞等の非扁平上皮細胞、膀胱癌の発見に繋がる異型細胞の検出は困難であった。
本発明では、尿中の有形成分種によって粒子径が様々であり、核酸量も異なっている点に着目し、尿中のそれぞれの粒子の核酸量に合わせた増幅率の蛍光信号を利用することで、尿中の粒子が様々な形態であっても高精度に検出することができる。
本発明により、非扁平上皮細胞を検出して腎臓由来の尿細管上皮細胞や膀胱由来の尿路上皮細胞を分類でき、患者を早期に適切な診療科に導くことが可能となる。また、上記の有形成分に加え、異型細胞を示唆する検出情報の提供ができ、今後膀胱癌の早期発見に繋がることが期待される。
図1 全自動尿中有形成分分析装置 | 図2 本発明を用いた尿中有形成分の検出 |