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発明協会の表彰事業

平成30年度全国発明表彰 選考経過報告

 平成30年度全国発明表彰の選考経過につきまして、ご報告申し上げます。
 本表彰候補につきまして、昨年七月に、朝日新聞紙上等を通じて公募するとともに、全国各地域の発明協会をはじめ、関係諸団体に候補の推薦を依頼いたしました。

 その結果、学界・産業界等 各界より、多くの優れた発明及び意匠が寄せられ、功労者関係につきましても、全国より多数の推薦がございました。
 審査に当たりましては、選考委員会において慎重な審議を行い、恩賜発明賞及び21世紀発明賞以下、各賞を選考いたしました。

 恩賜発明賞に選考されたのは、出光興産株式会社の松浦正英氏をはじめ3名の研究者による、『有機EL素子及び有機発光媒体の発明』でございます。
 本発明は、有機ELの発光過程において、二種の材料を用いるのが特徴であり、アントラセン系化合物で電気からエネルギーを受け、アミン化合物で発光させる機能分担により、純青色発光で、従来比3倍以上の高効率・長寿命化を達成したものであります。
 これにより、有機ELフルカラーディスプレイの実用化と普及に貢献しました。

 また、21世紀発明賞には、理化学研究所の大津秀暁氏をはじめ9名の研究者による、『放射性廃棄物の処理方法の発明』を選考いたしました。
 本発明は、高レベル放射性廃棄物に含まれる半減期の長い核分裂生成物の資源化と低減化の実現を目指し、偶奇分離法と加速器による核変換法を組み合わせた方法を提案するものでございます。
 これにより、地層処分場の容量の低減及び廃棄物に含まれるレアメタルのリサイクル分野の発展が期待されます。

 他の受賞発明及び意匠につきましても優れたものばかりであり、各々に関しご紹介すべきと存じますが、詳細はお手元の『功績概要』をご覧いただければと存じます。
 本日、受賞された皆様には、これを機に、より一層研究開発に邁進されますようご期待申し上げます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが選考経過の報告とさせていただきます。

平成30年6月12日

公益社団法人 発明協会

全国発明表彰 選考委員会
委員長  末松 安晴