平成30年度全国発明表彰 受賞発明・意匠概要(敬称略)
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21世紀発明賞
放射性廃棄物の処理方法の発明(特許第6106892号)
大津 秀暁 | 国立研究開発法人理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 核変換データ研究開発室 高速RIデータチーム チームリーダー | |
藤田 玲子 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 ImPACTプログラム・マネージャー | |
松崎 禎市郎 | 国立研究開発法人理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 核変換データ研究開発室 ミューオンデータチーム 協力研究員 | |
櫻井 博儀 | 国立研究開発法人理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 副センター長 | |
下浦 享 | 国立大学法人東京大学 大学院理学系研究科 教授 | |
水口 浩司 | 株式会社東芝 研究開発センター トランスデューサ技術ラボラトリー 室長 | |
大井川 宏之 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 事業計画統括部長 | |
小澤 正基 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 ImPACTプログラム・マネージャー補佐 | |
仁井田 浩二 | 一般財団法人高度情報科学技術研究機構 コード開発部 非常勤嘱託 |
21世紀発明貢献賞
松本 紘 | 国立研究開発法人理化学研究所 理事長 | |
畠澤 守 | 東芝エネルギーシステムズ株式会社 代表取締役社長 | |
児玉 敏雄 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 理事長 | |
濵口 道成 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 理事長 |
本発明は、高レベル放射性廃棄物に含まれる半減期の長い核分裂生成物(LLFP: Long-lived Fission Products)の資源化と低減化の実現を目指し、LLFPを取り出して短半減期核種または安定核種に変換するために、偶奇分離法と加速器による核変換法を組み合わせた方法を提案したものである。
半減期の長い奇数核種のみを取り出す方法として、奇数核種が核スピンをもつことを利用した偏光レーザーによる偶奇分離法を採用した。核変換では奇数核種を選択的に変換するために、加速器で生成したエネルギーのそろった2次中性子を利用する。パラジウム(Pd)を例にとると、半減期650万年のPd-107を、偶奇分離法によりPd-105と共に取り出し、エネルギーが7-9.5MeVの中性子を照射して、安定なPd-106とPd-104に変換する。核変換されたPdは自動車用触媒などに再利用される。本発明により、地層処分場の容量の低減、処理用の大容量加速器とレアメタルのリサイクルの分野の発展が期待される。本発明はImPACTのプログラムの一環である。
図1 本発明の目的と特長 | 図2 従来の技術課題と本発明の技術 |